ミュジコロール通信vol.2

暑い日が続きますね!今回は「練習」をテーマにお届けします。
スマホなど便利なツールも使いつつ効率よく練習していきましょう。

〜上達する練習方法5か条〜

フランスのサイトを見ていたら、「楽器練習の秘訣」的な記事がありました。5つのポイントを軸に展開していて、参考になるオモシロイ記事でしたので、自分の考えも交えながら紹介したいと思います。

1)毎日少しずつの練習一週間に一時間をまとめて弾くよりも、1日10分の練習を毎日続ける方が効果的。
ブランクを作らずに継続を!これは世界中で言われていることですね。まずは毎日弾く習慣をつけましょう。

2)明確な目標を持つ
「何々を弾きたい」ではなく、具体的に「こんな風に弾きたい!」に向かうための道順を、頭で描いていきます。「こんな風に弾きたい」の理想=目標を頭の中でクリアにすること。その目標に近づくために必要なタッチ、手や腕のポジションと柔軟性、音色、フレーズの表情を自分のものにしていく。それを頭と身体に覚え込ませていく。あるいは最初の段階では難しいことではなく、ミスをなくす、書いてある強弱やニュアンスをつける、といった理想=目標かも知れません。どんなレベルであれ、「こう弾きたい」という理想が頭の中ではっきり描ければ、練習の質が上がるということですね。練習の上で気をつけたいことは2点。❶できない所、難しい所を部分的に練習する❷頭の中で描いたことが実現できる、ゆっくりなテンポで練習する

3)全意識を楽器に向ける 
テレビを見ながら音階を弾くのは、良い練習とは言えませんよね。同じように、何も考えない無意識で、いくら筋肉のトレーニングをしていても効果がない。自分の弱点や、何が難しくてできないのかを見定められないまま、何時間も練習していても意味がない。だったらソファに座ってテレビでも観ていた方がマシ。 また、集中力は永遠に続くものではありません。しばらく弾いていると、だんだん飽きてウンザリしてきます。集中の糸が切れたと感じたら、少し他のことをやってみましょう。楽器から離れて休憩しても良いし、昔弾いた曲を弾いてみたり、新しい曲を何小説か譜読みしてみたり。気分転換をしてから練習に戻ると、スッキリして新しい考えも浮かんできますよ。

4)自分の弱点を見つける
曲を一回通して弾いてみて、できていないことを見極めましょう。自分の演奏を録音(録画)してみる、あるいは誰かの前で弾いてみる。そして、何ができていないかを分析してみます。例えばピアノの場合、オクターブや音が跳ぶところ、和音の連続などは、多くの人が難しいと感じる技術です。そこを部分的に抜き出し、ゆっくりのテンポからだんだん早く、の練習を繰り返します。5回でできるのか、50回でできるのか、練習の質にもよりますが。もし、自分で弾けるようにできなければ、先生に正確に問題点を伝え、練習方法を教えてもらいましょう。つぎに、その難しい部分を含むフレーズを通して弾いてみて、できたらもう少し長い区間を弾いてみます。それが上手にできたら、再び曲を通して弾いてみましょう。
(追記)
自分一人で練習室で弾いていると、できていないことに気がつかずに素通りしていることもあります。人前で弾いてみたり、録音機(スマホで十分)をセットしたり、少し緊張した状態で弾いてみると良いですね。自分の弱点を見つけるには、自分の演奏を客観的に聴くことが必要です。そして、近道はないので、できるまでコツコツ地道な練習を繰り返しましょう。

5)様々な角度から攻める!
何か新しいことを学んでしばらくすると、無意識でも自動的にできるレベルに達します。運転やテニス、他のこと同じように、音楽もそうです。運転ができるようになったとき、または相手にボールを返せるようになったら、基礎を習得できたと言えますね。これは、無意識でもできる「自動装置」がインストールされたから。でも、それが進歩の妨げになるのです。「自動装置」の限界を突破するためには、無意識で弾く事自体を問題に据えなければいけません。そして、違う角度から、新たな「挑戦」を決める必要があります。例えば、一曲しっかり勉強して弾けるようになり、暗譜でも弾けるようになったとします。それを何年か繰り返し弾き続けたら同じ状態を維持できるはずが、気がつかないうちに段々うっすら記憶がぼやけてきます。これはインストールされた「自動装置」のせいなのです。研究者によれば、脳は「変化」に反応するようにできています。いったん情報が記録されたあと、何の変化も修正も加えずに何度も同じことを繰り返すと、その度に脳への刺激が減って行きます。そして脳の反応はだんだん悪くなっていきます。そういうわけなので。いったん弾けるようになったことに満足せず、弾くたびに違う楽しみを見つけるようにしましょう。

練習方法、参考になりましたか?
おまけとして、練習の習慣をつけるのにオススメは、「食事の前」「お風呂の前」など毎日必ずすることに練習をくっつけてしまうことです。食事の前に15分、と決めてしまえば、歯を磨いたり顔を洗ったりするのと同じように生活の一部となっていきますよ!

演奏会のお知らせ

毎年ミュジコロール主催で富ヶ谷の白寿ホールにて開いているコンサート「日曜午後のラグジュアリーなコンサート」シリーズの第3弾が、9月8日14時〜にあります。今日からレッスンの際にお知らせのチラシとプリントをお渡ししています。
年々、クラシックの演奏会の観客は年齢層が上がっていて、中高年のお客様がほとんどという会場が多いのですが、このシリーズは小さなお客様がたくさん来てくれて、客席からお子様の好奇心がワクワクしている空気感が伝わってきたり、お母様お父様と感想をお話しているのが聞こえてきたりして、弾いていてとても楽しいです!
日本でクラシック音楽に親しんでいる人口は3パーセントから5パーセントと言われています。バッハの時代から何世紀にも渡って人々に愛されている音楽は、時に聴くものを慰めてくれたり、勇気を与えてくれたりするものです。ぜひ、楽器を学んでいるこの時期に、演奏会場で音楽を聴くことに慣れ親しんでもらえたらというのが願いでもあります。
お誘い合わせの上、ご来聴いただければ幸いです!