先週の土曜日はヴァイオリンの発表会が無事に開催され、たくさんの熱演に感動しました。私も12人の生徒の伴奏として参加しましたが、色々な曲コンツェルトの、ある一つの楽章を立て続けに弾いていると、自分がどの調性関係に浮遊しているのか一瞬わからなくなり、ヒヤっとすることがあります。そういう時は視覚情報だけが頼りで、耳が正しいハーモニー感覚に戻るまでバスと臨時記号に釘付けになりますが、迷子になっているほんの数秒が、数分にも感じられるほど焦りまくります。コンクール、試験、オーデション等で何十人も1人で担当し、たとえ同じ課題曲であったとしてもコンテスタントそれぞれの違う曲想やテンポに対応しながら、更に音楽的にサポートしつつ伴奏するのがプロフェッショナルな「伴奏者」の姿でしょうけれど、なかなかその域には到達しません。私にとっては経験を積んでも緊張から解放されることのない、心臓に悪い修行のようです。
ヴァイオリンの生徒さん達は個性的な人が多く、当日終演までドラマがありましたが、前日の悪天候が嘘のように晴れ、多くのお客様にお運びいただきました。なかには、同級生を40人近く動員してくれたスーパースターもいて、賑やかな会となりました。